世界45位の土居美咲(25=ミキハウス)の快進撃がついに止まった。同35位のイリーナカメリア・ベグ(ルーマニア)に2-6、6-7のストレートで敗れ、今大会の日本女子では03年杉山愛以来、13年ぶりの4強はならなかった。それでもリオデジャネイロ五輪の出場権をほぼ手中に収め、16日発表の最新世界ランクでは自己最高の30位台になりそうだ。

 土居に2、3回戦で見せた粘りがなかった。第2セット、一時は3-1とリードするなど、チャンスはあったが、勝ちを意識したのか決め急ぎ、単発なミスが生まれた。この日は風も舞い、159センチと小柄な土居にとって、パワーヒッターのベグ相手では不利だった。

 それでも「今年は五輪を意識してやってきた」と言うように、今大会のベスト8で、リオ五輪の出場をほぼ手中にした。日本女子は12年ロンドン五輪で出場を逃しただけに、土居が出れば2大会ぶり。自身にとっては初めてとなる五輪は「自分の中では4大大会より大きい」ととらえていた。

 22日から赤土最高峰の全仏が幕を開ける。まだ昨年の2回戦進出が最高成績。まず、全仏で上位に進み、4大大会で結果を出すことが直近の目標。そして、自信を付けて最大の夢だった五輪に挑む。【吉松忠弘】