世界5位の錦織圭(26=日清食品)が最長試合で惜敗した。

 世界最強で、同1位のアンディー・マリー(29=英国)に、第1セットをタイブレークで制したが、続く2セットを奪われ、3時間20分の末に、7-6、4-6、4-6で敗れた。錦織は1次リーグA組で1勝1敗。続くバブリンカとチリッチの試合で、チリッチが勝てば、18日に予定されているチリッチ戦で、勝てば準決勝進出が決まる。

 91年に試合時間を計り始めて以来、過去の最長試合は、10年準決勝ナダル-マリー戦の3時間12分だった。

 とんでもない試合だった。錦織は、敗れたとはいえ、世界最強と互角に戦い、お互いに信じられないショットを繰り広げた。角度をつければ、それ以上の角度で返球する。スマッシュが決まったかと思えば、追いつきカウンターで返す。決してあきらめない両者が、全力を出し切りぶつかった。

 第1セットのタイブレークは、20ポイントを要し、錦織に5本のセットポイント、マリーに2本のセットポイントがあり、流れが行き来した。その大接戦を錦織は制したが、第2セットの第1ゲームで、自分のサービスゲームを落とした。これがすべてだった。流れがマリーに行き、最後まで追う展開。最終セット5-1から追い上げたが、わずかに追いつかなかった。

 次戦のチリッチとの対戦成績は7勝5敗。しかし、直近のスイス室内決勝では、1-6、6-7で敗れた。

 主な一問一答は以下の通り。

 -すごい試合だったが

 錦織 どんなに競っても負けは負け。最後の最後まで、もうちょっと頑張りたかった。

 -差はどこだったか

 錦織 大事なところで、自分のミスが多かった。特に、ブレークポイントが今日は取り切れなかった。全体的にいいプレーはできたが、取れるところを取っていかないと、1、2位の選手には逆転される。

 -力の差を感じたか。それとも手応えの方があるか

 錦織 手応えはある。自分がもうちょっとしっかりしていれば勝つチャンスはあった。そこまでテニスの差はなくなってきた。どんどん近づいている感じはする。

 -チリッチ戦は

 錦織 1番は、(体を)回復させないといけない。最近、チリッチに負けているので、嫌なイメージは多少ある。テニスは良くなっているので、チャンスは全然あると思う。