柔道男子日本代表の井上康生監督(38)が18日、都内で行われた「ミズノスポーツメントール賞」表彰式に出席し、ユーモアに富んだ話を披露した。

 選手にはどんな環境においても「対応力が重要」と言い続ける井上監督が、抜群の対応力を見せた。リオデジャネイロ五輪で五輪初となる金2個を含む全7階級メダル獲得の快挙を成し遂げ、大賞にあたるゴールド(副賞200万円)を受賞した。

 あいさつ後に「指導者の中でこの賞は非常に重要で、毎年、年末年始になると『誰が勝ち取るのか』という話になる。(日本レスリング協会強化本部長の)栄(和人)先生と会合があって、この話になり、(自分が受賞することを分かっていたが)その場で言わなかった。決して、隠蔽(いんぺい)していたわけではないですよ!!」と出席者らに明かすと、会場が爆笑の渦に包まれた。

 その後、「実は…」と切り出して「裏話があって表彰式前の控室で(関係者から)『面白いことを言ってくれ』と言われました。苦しいフリでしたが、言わせてもらいました」。こう“暴露”すると、再び、笑い声がもれた。

 ゴールドを受賞し、選手やスタッフ、全日本柔道連盟関係者への感謝の言葉も述べた。「大変名誉な賞を頂きました。自分は大したことはしていません。選手の頑張りがあり、それを支えてくれたスタッフや全柔連らのいろいろな方にサポートしてもらったおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです」。

 20年東京五輪に向けては「既に戦いは始まっている。柔道界、スポーツ界だけでなく、日本国民にとって忘れられない大会になると思う。リオ五輪以上の成績を出して、恩返しできるよう尽力します」とさらなる飛躍を誓った。