9月に東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われたレスリング男子日本代表の強化合宿で、練習に参加していた拓殖大の選手(21)がスパーリング中の事故で頸椎(けいつい)損傷の大けがを負っていたことが21日、関係者の話で分かった。胸から下が自力では動かせない重傷で、入院中という。

 NTCで合宿が行われていたことから、日本オリンピック委員会(JOC)やスポーツ庁も事情を把握している。事故を公表していないことについて、日本協会の西口茂樹強化副本部長は「JOCには報告している。どこまでオープンにしていいのか、デリケートな話で公表は考えていなかった」と説明している。

  レスリングでは10月にも愛媛県で開催された国民体育大会の少年男子の部で、鳥取県の高校3年生が試合中に頸髄(けいずい)損傷の大けがを負う事故があった。

 NTCでは、6月にバレーボールの21歳以下日本代表の合宿中に、慶応大の男子選手の太ももに剥がれた床板が刺さり、約30針縫う大けがを負う事故も発生している。