男子ダブルスは世界選手権銀メダルの大島祐哉(木下グループ)森薗政崇(明大)組が何鈞傑、黄鎮廷組(香港)を4-3で破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。

 崖っぷちに追い込まれても諦めなかったのは、これまでも2人で修羅場をくぐり抜けてきたから。最後の1点を森薗得意のレシーブから奪うと、勝利の雄たけびの後、がっちりと抱き合った。2年ぶりの王座奪還に大島は「最後はパートナーを信じ切れた」と誇り、森薗は「何とかして勝とうという気持ちを捨てないでできた」と喜んだ。

 マッチポイントを奪われても執念で生還した。2-3の第6ゲームは8-10から大島のサーブと森薗の代名詞バックハンドレシーブ「チキータ」から逆転。最終ゲームも8-10と追い込まれたが、巻き返した。

 大会前は練習時間がほとんど取れず、連係は決勝のプレー中も深まっていなかった。後陣でのラリーで打ち勝ち始めたのは、ほぼ第7ゲームから。大島が「何とか食らいついて台に入れて、パートナーに回す気持ちだった」と話す無心のプレーが逆転劇を呼んだ。

 決勝進出は3大会連続で、世界が認めるダブルスの第一人者だ。今年の世界選手権は準優勝だっただけに、大島は「あと目指すのは世界選手権での優勝だけ」と言葉に力を込めた。

 ◆卓球ワールドツアー・グランドファイナル 国際卓球連盟が主催するワールドツアーの上位者(シングルスは16人、ダブルスは8組)によって、年間王者を決定する。男子シングルスは10、14年の水谷隼、女子シングルスは14年の石川佳純、男子ダブルスは15年の森薗、大島組、女子ダブルスは14年の平野、伊藤組、16年の浜本、早田組が優勝。中国のトップ選手の出場可否も大会成績には影響する。