国際オリンピック委員会(IOC)は2日、IOC評価委員会が2016年夏季五輪招致を目指す東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの4立候補都市を現地調査して作成した評価報告書を公表した。東京はほとんどの会場が半径8キロ圏内に収まる計画が評価されたが、市民の支持率の低さや、自信を持っていた計画の細部などに懸念が指摘された。

 東京は予想以上に厳しい評価との見方で、南米初開催を訴えるリオデジャネイロが、期待感の裏付けと受け取れる「とても質が高い」との評価を得た。

 報告書では、東京についてコンパクトな計画や政府の財政保証など「強み」を指摘。しかし、4月に行われた評価委の現地調査で<1>既存としていた施設が実際には改修または新設の必要があったことが判明<2>選手村の用地面積に懸念<3>ホテル確保が開会式から閉会式までの期間に限られている-など、東京がこれまで自信を持っていた計画面で細かい指摘が数点あった。報告書に記載された開催都市の支持率はマドリードの84・9%が最高で、東京は55・5%で最も低かった。

 評価委は4月から5月にかけて4都市を順次訪問し、IOCが設定した17項目について開催能力をチェックした。開催都市は1カ月後の10月2日、コペンハーゲンで開かれる総会で決定し、報告書はIOC委員が投票する際の参考資料となる。