昨年のバンクーバー冬季五輪で組織委員会トップの最高経営責任者(CEO)を務めたジョン・ファーロング氏が最近出版した本の中に、招致段階での票のやりとりを連想させる記述があることについて、国際オリンピック委員会(IOC)が事情説明を求めていることが23日、分かった。

 AP通信によると、著書でファーロング氏は、開催地を決める2003年のIOC総会前に12年夏季五輪招致団を率いていたモスクワ市長を訪問。「私たちの招致にとってロシアが重要だったかもしれない」と回想した。ロシアIOC委員の取り込み工作を行ったとも受け取れる記述となっている。バンクーバーは最終投票で平昌(韓国)を56票-53票で退けた。

 IOCのアダムス広報部長は「現時点では倫理委員会による調査は始まっていないが、既にファーロング氏には詳細な説明を求めている」とし、IOCとして状況把握を行っていることを明らかにした。