<レスリング:全日本選手権>◇最終日◇23日◇東京・代々木第2体育館

 思わぬ苦戦だった。女子55キロ級の吉田沙保里(29=ALSOK)は全日本選手権10連覇で、ロンドン五輪代表を決めた。だが、表情はさえない。「ああいう試合をしてしまって本当に情けなくて、言葉がでない」と、反省ばかりが口をついて出た。

 高校3年生の村田夏南子(JOCエリートアカデミー)との決勝。いきなり失ポイントするなど、第1ピリオド(P)は2-2の同点だった。より大きい得点の技を決めた吉田がこのPを奪ったものの、第2Pも1-0の辛勝。積極果敢に攻めてくる相手のレスリングにてこずり、手放しでは喜べなかった。

 それでもアテネ、北京に続く五輪3連覇への挑戦権は得た。「3連覇しかない気持ちでやっていく。研究されて、そう簡単には勝たせてくれないですが、自分だけが(頭1つ)上がっているように頑張ります」と気持ちを入れ直していた。