2020年東京五輪・パラリンピックなどに向けて解体、改築される国立競技場(東京都新宿区)で31日、最後のお別れイベントが行われた。1964年東京五輪などで数々の名勝負が繰り広げられ、聖地とも呼ばれたスタジアムが56年の歴史に終止符を打つ。

 午前にはマラソンの有森裕子さん(47)や瀬古利彦さん(57)とともに、一般参加者約2000人が場内を走るイベントを実施。午後はサッカーとラグビーのそれぞれの競技で往年の名選手が対戦する「レジェンドマッチ」や五輪金メダリストらによる“聖火リレー”が行われる。

 国立競技場は58年に完成し、64年東京五輪の閉会式では同競技場で史上最多の7万9383人の観客を集めた。サッカーやラグビーの舞台としても親しまれ、93年にスタートしたJリーグの開幕戦も行われた。

 しかし、老朽化が進んだことから19年のラグビーW杯日本大会や20年東京五輪などで使用するため約8万人収容の新競技場への改築が決まり、7月に解体工事が始まる。新競技場は巨大で周囲の景観を損なうとの批判も出ている。