男子マラソンの日本記録保持者・高岡寿成(38=カネボウ)が16日、都内で会見し、22日の東京マラソンを最後に現役を引退すると発表した。決断のきっかけは、山口・湯田温泉で合宿中の2月4日に、左ふくらはぎを肉離れしたこと。「理想とする練習、マラソンができないことを感じ、決意しました」と話した。

 五輪は2度出場し、00年シドニー大会は1万メートル7位入賞。現在も3000、1万メートル、マラソンの日本記録を保持している。「まだ今は現役なので、記録を破られたら破り返す気持ちを持っています。でも記録がずっと残るのはいいことではない。1日でも早く破られることが望ましい」と後輩たちの奮起を期待した。

 東京マラソンは8月の世界選手権(ベルリン)の国内最終選考会で、日本人トップなら代表に内定する。状態は万全でないが「優勝目指して全力で走りたい。もし(代表に)選出されれば、日本のユニホームを着たい」とプライドをみせた。

 4月1日からコーチに就任する。同時に、伊藤国光監督(54)が総監督、音喜多正志コーチ(46)が監督に就くことも発表された。