2016年夏季五輪でソフトボールの復帰はならなかった。最後まで復活を信じていた。北京五輪で413球の熱投で悲願の金メダル獲得に貢献した上野由岐子(27)は15日からの国体関東予選に備えて調整。元代表監督で現在は日本協会の普及委員長を務める宇津木妙子氏(56)は遠くアフリカの地、ガンビアで講演していた。だが届いたのは落選の一報だった。

 「1人のソフトボール選手としてショックを受けています。子どもたちの世代に夢をつなぐことができなかったことが、ただ悔しくて残念です」。協会を通じて上野はコメントを発表した。12年ロンドン五輪での除外が決定してから約4年間、国際ソフトボール連盟は積極的にロビー活動を行い、6月のプレゼンはIOCの評価も高かったという。だが結局、現状を覆すことができなかった。

 今後は20年の五輪で復活を目指すが、戦後の五輪で短期間で復活した競技は少ない。夢を失った小中高生への影響や実業団の休廃部も懸念される。強化費減も予想され、協会幹部は「もう海外遠征にもいけなくなる」と落胆した。宇津木氏は「五輪復帰への思いに各国で温度差があり、1つになれなかった。子どもたちの夢をつなげるためにも地道に活動するしかない」とコメントした。