<競泳:東京スイミングセンター招待公認記録会>◇2日目◇21日◇東京スイミングセンター

 昨年の北京五輪で2大会連続で平泳ぎ2冠を達成した北島康介(27=日本コカ・コーラ)が、06年の日本選手権以来、約3年7カ月ぶりに日本人に負けた。男子200メートル平泳ぎに出場。トップ通過して迎えた決勝で2分14秒31の2位に終わり、優勝した今夏の世界選手権代表の立石諒(20=慶大)に1秒66の大差をつけられた。それでも北京五輪以来、約1年5カ月ぶりの国内復帰戦で、今後に向けた収穫を得たと強調した。

 前半は快調に飛ばしていた北島が、後半みるみる失速した。首位で折り返した100メートルのターンで0秒24あった貯金は、150メートルのターンでは逆に立石に0秒36遅れ、ラスト50メートルは離される一方。ゴールすると顔をしかめて「きちーよ」と、つぶやいた。五輪後は約10カ月も本格練習を行っておらず、体力不足は明白。伸び盛りの若手を相手に「今の自分では相手にならない」と完敗を認めた。

 前日20日の100メートルは好タイムで優勝した。この日の予選は自身最少の計55ストロークで泳ぎ、体力温存に努めた。それだけに「上出来。根本的に泳ぎは崩れていない」。中学から北島を指導した日本代表の平井ヘッドコーチも「故障がなければ順調にいく」と満足げだ。当面の目標となる来年4月の日本選手権は「3番狙い」と冗談めかしたが「代表に入りたい」と、早くも世界へ目を向けていた。