女子バスケットボールWリーグの開幕会見が26日に都内で行われ、昨季限りで廃部したJALラビッツに代わって参入した新潟アルビレックスBBラビッツ(略称・新潟)が、異例の登録8選手で今季を戦うことになった。チームはJALから譲渡される形で、サッカーJ1新潟のメーンスポンサー・NSGグループが創設。12人のうち7人が引退し、高橋、出岐ら5人に新卒3人を加えた8選手で「ラビッツ再起」に挑む。

 JALから引き続き指揮する荒順一ヘッドコーチは「12人を考えていたが勧誘が遅かった。ルール上、追加登録もできない。どんなシーズンになるのやら」。Wリーグは全8チームあるが、新潟以外はすべて14~16人で構成しており、協会関係者も「10人を切ったチームは聞いたことがない」と言うほどだ。

 しかも、10月1日の開幕戦(対富士通)を前に新人・菅野が腰を負傷しており、現在プレーできるのは7人だけ。「今は3対3までしかできない。私も入って練習している」と還暦を迎えた指揮官は苦笑いする。選手はNSGグループの関連企業などで働き、夕方から3時間だけ汗を流す。そんな逆境にも荒ヘッドは「8人の全員バスケットでセミファイナルを目指す」と名前の通り勇ましかった。

 ◆JAL廃部からの経緯

 日本航空の会社更生法の適用に伴い、2010年3月2日に10-11年シーズンをもって廃部すると発表した。リーグ機構側がチーム譲渡に向けて20社以上と交渉し、同年10月にNSGグループと基本合意。JALは今年2月のアイシン戦に100-69と勝利し、44年の歴史に幕を閉じた。「ラビッツ」の愛称は残った。