<ラグビー:トップリーグ:東芝39-14リコー>◇第12節最終日◇29日◇東京・秩父宮ラグビー場ほか◇3試合

 東芝FB松田努(41)がトップリーグ最年長トライを挙げ、チームを4強によるプレーオフ(2月19日開幕)へと導いた。リコー戦の前半12分に先制トライを決め、自らの持つ40歳7カ月25日の記録を41歳8カ月29日に更新。勢いに乗った東芝は快勝し、4位以内が確定した。次週の最終節には好敵手パナソニックと対戦、王座奪回を目指すプレーオフの「前哨戦」となる。サントリーは61-22とサニックスに大勝し、総得失点差で首位に返り咲いた。

 前半12分、松田が相手防御網を突破したCTB仙波からパスを受けると、スタンドがどっと沸いた。インゴール右隅から中央に回り込んでトライ。「仙波が抜けたら(サポートに)つくのは当たり前」と松田は控えめだが、チームを活気づけるには十分だった。フッカー湯原は「チームが盛り上がった」。WTB広瀬は「うれしかった」と、自分のことのように喜んだ。

 守りでも貢献した。前半6分には自陣ゴール前で猛タックル、相手をはじき出した。途中交代覚悟の全力プレーが持ち味だ。サッカーのカズ(三浦知良=44)も刺激になる存在で、「カズさんに比べたら、ひよっこですよ」と笑う。「毎週、メンバーに入ることからです」。若手との競争を繰り返し、出番を勝ち取ってきた自負がのぞく。

 娘の凜日(りんか)ちゃん(10)が一昨年からラグビーを始め、試合のたびに「トライしたの?」と尋ねられるという。約1年1カ月ぶりのトライはいい報告になるはず。だが、あくまで目標は2季ぶり6度目の優勝だ。最終節で対戦するパナソニックとは、プレーオフで再戦する可能性もあるだけに、先制パンチを浴びせたいところだ。【岡田美奈】