五輪出場で父親復権!?

 ロンドン五輪世界最終予選(4月6~8日、クロアチア)に出場するハンドボール男子日本代表は20日、直前合宿地のデンマークへ出発した。成田空港でエース宮崎大輔(30=大崎電気)は「娘にハンドボールやってもらいたいですからね。そのためにもというか…」と意外な目標を口にした。

 今春に小学校に進む長女優里ちゃん(6)。幼少期からハンドボールを始め、父いわく「運動神経も良くてシュートセンスがあります」と才能を発揮しているが、昨年のW杯優勝で始まった「なでしこフィーバー」の影響で、「小学校に入ったらサッカー部に入りたい」と希望しているという。宮崎は「まずいですね。自分も五輪に出ないと」と話し、父の威厳もかかる最終予選になった。

 娘については冗談交じりだったが、ハンドボールの「なでしこ化」は競技人生の最大目標でもある。「五輪に出たら、もっと多くの人に知ってもらえますよね」とメジャー化を狙う。88年ソウル大会以来24年ぶりの五輪へのラストチャンスに、「なでしこはうらやましい。結果を出せばハンドボールも…」と最後は真剣なまなざしだった。【阿部健吾】

 ◆ロンドン五輪世界最終予選

 日本代表は昨年10月のアジア予選で10カ国中2位。決勝で韓国に敗れて、1位に与えられるロンドン五輪の出場権を得られず、世界最終予選に回った。同予選は12カ国が参加。3つの予選会(4月6~8日、デンマーク・スペイン・スウェーデン)に分かれ、それぞれ4カ国の総当たり戦を行い、上位2カ国が出場権を獲得する。昨年の世界選手権で16位だった日本は、同5位で開催国となるクロアチア、同6位のアイスランド、同22位のチリと同組で争う。