<バドミントン:ヨネックス・オープン・ジャパン>◇3日目◇20日◇東京・国立代々木競技場

 フジカキが今季限りでペア解消だ。ロンドン五輪女子ダブルス銀メダルで、日本バドミントン史上初のメダルを獲得した藤井瑞希(24)垣岩令佳(23=ともにルネサス)組が、凱旋(がいせん)試合の初戦(2回戦)でまさかの敗退。その後の会見で、12月の全日本総合と日本リーグを最後にペアを解消することを発表した。

 突然の解散宣言だった。銀メダルの凱旋試合で、無名の米元、三木組に、まさかの敗退。その後の会見で、藤井がいきなり切り出した。「五輪前から決めていたけど、令佳とのコンビは、これが国際大会最後となりました」。銀メダルペアの解散劇に、誰もが驚いた。

 藤井は、すでに来年の代表入りを辞退しており「もう世界を目指すつもりはない」。引退はしないが「夢がある。まだ言えないが来季以降は未定」。垣岩は、これまでと同じく世界に挑戦する意向で、2人の間で目標が変わった。それが解散の理由だった。

 藤井は07年にルネサスに入社したが、限界を感じ現役続行を迷った。その時、青森山田高時代の1年後輩でペアだった垣岩を同社に誘い、2人で五輪を目指す原動力となった。「令佳がいなかったら、続けていたかどうか。4年間、がんばろうと決めた」。そう話すと涙が浮かんだ。

 その4年間が五輪の銀メダルとなって実を結び、そして終わろうとしている。この日、まさかの敗退を喫したが「令佳とで楽しかった。悔いはない」。報道陣から「夢は寿?」と問われると、「そんなわけないじゃないですか」と笑顔で、最後の国際大会を締めくくった。国内では12月3日開幕の全日本総合と、同月28日まで続く日本リーグが最後となる。【吉松忠弘】