ロンドン五輪競泳女子100メートル背泳ぎ銅メダリストの寺川綾(29=ミズノ)が、現役引退の意向を固めたことが2日、分かった。明日4日、都内で記者会見を開いて発表する。

 集大成として臨んだロンドン五輪後、「(女子競泳界の)底上げのために何かできないか」と悩みながらも現役を続行。今夏の世界選手権(バルセロナ)では銅メダルを獲得し、世界選手権の日本女子最年長メダリストになった。ただ、16年のリオデジャネイロ五輪まで続けるとは明言せず、9月の東京国体に出場した際には「また世界で1番になりたいと思えた段階でスタートしたい」と、迷える胸中を口にしていた。

 01年、近大付高2年で世界選手権(福岡)の代表に選ばれ「美少女スイマー」と脚光を浴びた。04年アテネ五輪では8位入賞。08年北京五輪の代表に選ばれず選手生命の岐路に立ったが、平泳ぎの北島康介らを育てた平井伯昌コーチに師事して復活した。

 30歳を迎える来年は主要な世界大会がない。世界レベルの泳ぎを維持する練習を続けるには大きな覚悟がいる。長く女子競泳界を引っ張ったスイマーは迷いつつも決断したようだ。

 ◆寺川綾(てらかわ・あや)1984年(昭59)11月12日、大阪市生まれ。3歳で水泳を始める。近大付高-近大-ミズノ。04年アテネ五輪200メートル背泳ぎ8位。12年ロンドン五輪100メートル背泳ぎは日本新で銅メダル。今夏の世界選手権では50メートルと100メートルの背泳ぎ2種目で3位。50、100メートルの女子背泳ぎの日本記録保持者。173センチ、59キロ。血液型はO。