<W杯スキー:女子ジャンプ>◇個人最終戦◇22日◇スロベニア・プラニツァ(HS139メートル、K点125メートル)

 既に個人総合2連覇を決めていた高梨沙羅(17=クラレ)が135メートル、132・5メートルの合計271・6点で7連勝した。今季18戦中15戦で優勝し、通算勝利数を24に伸ばした。伊藤有希(土屋ホーム)は今季5度目の表彰台となる2位で個人総合3位。今季の個人戦で30位以内に入った各選手と、混合団体1試合のW杯得点を合計した女子の国別対抗も日本が制した。

 今季を象徴する圧勝で最終戦を締めくくった。「ここにきて一番いいジャンプが出せた」と振り返る1本目で135メートルの最長不倒をマークしてトップ。2本目は132・5メートルと、29人中1人だけ130メートル以上を2本そろえた。2位の伊藤に26・7点と大差での今季15勝目。「2回ともまずまず納得がいくジャンプができた」と笑顔があふれた。

 ソチ五輪後の3月1日。ルーマニア・ルシュノブで行われたW杯個人第14戦で早々と2季連続個人総合優勝を決めた。だが、以後も気を緩めなかった。圧倒的な力を見せつける-。そんな気概が7連勝につながった。個人総合の大きなクリスタルトロフィーを受け取り「この重さはたくさんの人の思いの結晶だと思う。支えてくれた人たちに感謝したい」と表情を緩めた。

 ソチ五輪では、ジャンプ人生最大の悔しさを味わった。金メダルの期待を一身に背負った2月11日。不利な追い風の悪条件で飛躍が乱れ、4位に終わった。だが、帰国後に「W杯個人総合を取りに行く」と明言。ファンから届く応援のメッセージも支えにして気持ちを立て直した。

 圧倒的強さで勝っても、これまで通り決して満足するようなことはなかった。試合直後には「総合(優勝)が取れて良かった。でも技術、精神両面で足りないところがある。改善して4年後は(五輪で)同じような失敗をしないようにしたい」と、あらためて18年の平昌五輪でのリベンジを宣言した。