スピードスケートの日本電産サンキョーが、オランダ流改革で復活を狙う。30日、長野・下諏訪町の同社で来季の新体制と強化方針を発表した。永守重信会長(69)は「慢心があった。敵を知ることが大事」と、メダルなしに終わったソチ五輪を振り返りスケート王国から学んでいく考えを示した。

 まずは指導方法など学ぶため、オランダのプロチーム「ニューバランス」に共同スポンサーとして参加。今村監督を始め、ソチ五輪に出場した高木菜那、ウィリアムソン師円ら中長距離陣は6月から拠点を移す。短距離陣には新たなコーチを招くという。オランダには1億円以上を稼ぐプロも少なくないといわれるが、永守会長は「プロ並みの待遇にしていきたい。スケート部を別会社にすることも考えている」と話した。

 強化が企業頼みになっていた反省から、日本スケート連盟はナショナルチームを発足させる予定だが、永守会長は「時代に逆行。正しい方向ではない」とバッサリ。「オレがやらなくて誰がやる」と、独自路線で強化を進める意向を示した。