<バレーボール:W杯女子大会・日本3-0米国>◇最終日◇18日◇東京・代々木第1体育館

 奮闘実らず日本の五輪決定は持ち越された。世界ランク4位の日本は、同2位でW杯首位だった米国に快勝した。第1セットを29-27で競り勝つと、勢いに乗ってストレート勝ち。中国が勝ってロンドン五輪出場権は消滅していたが、8勝目を挙げて前回大会の7位から4位へ順位を上げた。

 会場入り前に中国の勝ちを知った。それでも目標は「出場」でなく「表彰台」だ。バスの中で真鍋政義監督(48)のゲキが飛んだ。「米国はメダルを争う相手。五輪の準決勝だと思え」。意気消沈どころか、初優勝が懸かる米国を中盤から圧倒した。

 「尻上がり」の5連勝で締めた。自慢の守備はこの日も安定。伸び盛りの江畑(日立)は両チーム最多の21点をマークした。エース木村(東レ)は「最初はぎくしゃくしたプレーが多かったけど、試合を重ねるごとに1つになった」。山あり谷ありの2週間だった。

 来年5月の世界最終予選兼アジア大陸予選(日本開催)で五輪切符獲得を目指す。主力のセンター陣を欠きながら岩坂や新鍋(ともに久光製薬)が台頭。江畑は木村と「ダブルエース」と呼ばれるほど独り立ちした。真鍋監督は「ロンドンではメダルに挑戦します」と言い切った。【近間康隆】