3月末でラグビーのトップリーグ(TL)、パナソニックを退団し、去就が注目されていた日本代表SH田中史朗(34)のキヤノン入団が決定的であることが3日、分かった。近く正式発表される見込み。田中は18年度限りで、12年間在籍したパナソニックを退団。複数のオファーの中から、昨季TL12位で、上位進出を目指すキヤノンを新天地とする意向を固めたとみられる。

1月に34歳を迎えベテランの域に達したが、試合の流れを読んだ巧みな球出しと、豊富な経験に裏打ちされたプレーは健在。強烈なリーダーシップでチームをまとめる姿勢に、日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチからの信頼も厚く、史上初の8強入りを目指す代表の主力として、9月開幕のワールドカップ(W杯)日本大会での活躍も期待されている。

京産大卒業後に三洋電機(現パナソニック)に入団し、多くのタイトル獲得に貢献。日本代表としても11、15年のW杯出場を果たした。13年には、ハイランダーズ(ニュージーランド)で、日本人として初めて世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」にデビュー。15年にはジョセフHCのもと、優勝も経験するなど、166センチの小さな体で、国内外から高い評価を受けてきた。今季のTLは、W杯開催期間を避け、リーグ戦の開幕は20年1月となる。キヤノンには日本代表の司令塔であるSO田村優(30)も在籍しており、TLのピッチでも、豪華ハーフ団が実現しそうだ。

◆田中史朗(たなか・ふみあき)1985年(昭60)1月3日、京都市生まれ。中学1年でラグビーを始め、伏見工-京産大-パナソニック。ニュージーランド留学した12年にオタゴ州代表入り。13年にハイランダーズでスーパーラグビーに日本人初出場。08年に日本代表に初選出され、現在69キャップ。11、15年W杯日本代表。166センチ、72キロ。血液型O。