<ラグビー日本選手権‥NTTコミュニケーションズ11-7東海大>◇7日◇東京・秩父宮ラグビー場◇1回戦

 東海大FB豊島翔平はノーサイドの瞬間、両手で顔を覆い、泣き崩れた。後半開始直後、インゴールにボールを持ち込みながら、グラウンディングできず、トライにできなかった。

 「気にするな。みんなで(トライを)取り返そう」という荒木達也主将の声で、東海大は積極的な攻撃を次々と仕掛けた。豊島も「負けたら僕のせい」という思いにさいなまれながら、自慢のスピードで突破を試みた。だが、得点にはつながらず、後半37分以降に2PGを許して逆転負けだ。

 試合後、豊島は気丈だった。「シャワーを浴びても、何度もあの場面を思い出した」「勝っていれば、あと1週間は4年生と一緒にラグビーができたのに」と涙をこらえながら話した。昨年のU-20日本代表で「チームを引っ張りたいと思いながら、最後に足を引っ張ってしまった。来季こそチームを引っ張って、新しい歴史をつくりたい」は、素直な気持ちだろう。