野球賭博問題で警視庁が7日、各部屋の一斉捜索に着手した。大相撲は大関らの処分が決定、名古屋場所の生中継放送中止が決まったばかり。「こんな大ごとになるとは」。場所間際まで続く騒動に、名古屋入りした力士や相撲ファンの間に動揺が広がった。

 力士と賭博の胴元をつないだとされる床山らが所属し、千葉県習志野市の部屋が捜索を受けた阿武松部屋。寄宿先の愛知県尾張旭市の宗教施設では、早朝からけいこが行われたが、終了すると親方と力士は足早に宿舎の中へ。

 けいこの見学に立ち寄った男性(64)は「力士たちは今日も変わらない様子だった」と驚いた様子だった。

 名古屋場所の初日を11日に控えた愛知県体育館(同市中区)。チケット販売窓口は通常通り購入客を待つ態勢が整い、7日朝も大相撲ファンが席を求めて訪れた。

 名古屋場所を毎年楽しみにしているという会社員桑原茂さん(59)は「まだ賭博をした人がいるのではないかと疑ってしまう。名古屋場所は夏の風物詩なので中継中止は残念だが、しかたないとも思う」と複雑な表情だった。