左ひじ痛で3場所連続休場した横綱朝青龍(28=高砂)について、横綱審議委員会(横審)の堪忍袋の緒が切れた。24日、東京・両国のホテルで開いた同委員会は、治療のためモンゴルに帰国した朝青龍が、再来日を3度延期して九州場所直前に福岡入りしたことを問題視。大半の委員から「国技をなめている。来年初場所(1月11日初日、両国国技館)に全休、途中休場となれば引退勧告すべき」との意見が出たという。朝青龍が仮病疑惑で2場所出場停止処分を受けた際も横審委員から同様の声が上がったが、内館牧子委員は「今回はそれ以上。みんな『横審をなめるな』と怒っている」と説明した。

 また、医師の守屋秀繁委員は「朝青龍の治療は、手術をしない温存治療だが、それではダメ。本気で治すなら手術して1年間かけてリハビリすべき」と指摘したという。それでも協会側が「本人が治療を一生懸命していると言っている。出処進退が本人が判断することですから」と説明すると、複数の委員が「どうして協会は(朝青龍を)怒らないのか」などと反論する一幕もあったという。

 海老沢勝二委員長は「軽々に進退という言葉は使えないが、本人も初場所で再起を期すと話しており、そういう覚悟で臨むと思う」などと話した。なお、朝青龍はこの日午前に福岡から帰京。12月2日に始まる冬巡業までは国内で静養するという。