貴乃花親方(36=元横綱)夫妻が、講談社などに損害賠償と謝罪広告を求めた名誉棄損訴訟の口頭弁論が16日、東京地裁で行われ、同親方と被告のライター武田頼政氏が出廷した。同訴訟は、週刊現代の「若貴兄弟による八百長疑惑」の記事の真実性が争点になっており、武田氏は記事の情報源が、同親方の母藤田紀子(憲子から改名)氏であると明言した。

 同記事は、95年九州場所で横綱だった貴乃花親方が、兄で当時の若乃花との優勝決定戦前夜に、父で師匠の二子山親方(元大関貴ノ花)から「明日は分かってるだろうな」と八百長を勧められたという内容だった。記事では情報源は示されていないが、この日、同氏が「紀子さんから聞きました」などと証言した。

 一方で貴乃花親方は「そんな(紀子さんが情報源という)ことは考えられないし、事実無根。悪意以上で非道」などと反論した。また、答弁中に被告側の弁護士が笑うと「なぜ、笑って聞くのでしょうか」と憤る場面もあった。

 武田氏は昨年10月16日、同誌の八百長報道をめぐる別件の名誉棄損訴訟でも、法廷で藤田さんが情報源だったと証言している。この日、藤田氏のマネジャーは「法廷での内容を把握していないので何も話せません」と話した。