大関日馬富士(25=伊勢ケ浜)が、名古屋場所(7月12日初日)終了後の来月下旬にも、日本の医師団を連れて心臓病に苦しむモンゴルの子供たちを救う計画を進めていることが、9日までに分かった。医師団は20人ほどで、約1週間にわたって日馬富士の故郷ゴビアルタイで手術や検査などの活動を行う予定。現地で必要な宿泊費や移動費、食費など約300万円の大半を日馬富士が負担することになるという。

 きっかけは日本人医師団らで結成されたNPO法人「ハート

 セービング

 プロジェクト」だった。国土の大半が標高1000メートルを超すモンゴルでは、酸素が薄いために動脈管開存などの先天性心疾患を持って生まれてくる子供が多い。そういった母国の子供たちを救う日本人医師団らの活動を知った日馬富士は「ぜひ自分も参加して、役に立てればと思った」という。

 同活動は01年にスタートし、日馬富士が同行して現地での医師団の活動費用を持つのは初。当初は初優勝を果たした夏場所後にも実施予定だったが、新型インフルエンザの影響で医師団が渡航を自粛した。日馬富士は06年末、父ダワーニャムさんを交通事故でなくしているが、亡き父もモンゴルの子供のために日本で使わなくなった机やいすをもらい受けるなど教育や福祉に熱心だった。関係者は「その遺志を継いで…という思いもあるのでは」と話した。