<大相撲秋場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館

 静岡の誇る2人の小兵が引退した。東三段目11枚目の若駿河(31=阿武松)は気魄力を寄り倒して5勝目。来場所の幕下復帰が確実だったが「寂しいですが、ホッとしてます。完全燃焼できました」と涙はなかった。自己最高の幕下25枚目だった07年九州場所前に右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂。5場所全休と懸命のリハビリで、先場所は幕下復帰した。「幕下で勝てなくて、限界を感じました」と夜には断髪。今後は故郷で仕事を探すという。

 また西三段目35枚目の杉田(27=北の湖)も最後の土俵になった。琴奥山をかいなひねりで下し「半年前から調子が悪く、けいこもできなかった」。元中学横綱で幕下7枚目まで番付を上げたが、近年は首痛など故障に泣かされた。家業(保険業)を継ぐという。