<大相撲秋場所>◇11日目◇21日◇東京・両国国技館

 大関昇進を狙う関脇琴奨菊(27=佐渡ケ嶽)は栃煌山に精彩を欠き、まったくいいところなく敗れ痛い2敗目。

 大関とりへ、琴奨菊が正念場を迎えた。西前頭3枚目の栃煌山に押し出された。右脇を差され、左は巻き替えを狙ううちに、圧力をかけられた。重要な詰めの終盤戦に入った途端、平幕にいいところ無く敗れ、印象は悪い。これで9勝2敗。3場所合計33勝が昇進の目安で、今場所は12勝が必要になる。残り4日、1横綱2大関との対戦を残し、3勝が必要になった。

 支度部屋では「あー、くそっ。悪いところは、自分で分かっているんで、踏ん張らないと…」と振り返った。かねて指摘されてきたのは、脇の甘さ。佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「腰が高かった。下からおっつけないと。ちょっと硬かったですね」と指摘した。中村審判副部長は「(相手は)平幕だからね。今日みたいな完敗ではいかん。一番大事なここらへんでねえ…」と嘆いた。

 先場所は13日目から平幕に連敗し、昇進を逃した。またも同じ轍(てつ)を踏むのか、成長を見せられるのか。「一喜一憂しないで、また明日は来るから、しっかり気持ちを作り直す」と琴奨菊。精神力を試される時が、やってきた。