横綱白鵬(26=宮城野)を冠にしたブランド米が誕生した。白鵬が観光大使を務める北海道滝川市は9日、同市で収穫された新米「ななつぼし」を今秋から「白鵬米」として発売することを発表した。この日から同市を中心に限定2000個でミニ俵(300グラム、800円)の発売をスタート。来月中旬をめどに5キロ入り(価格未定)の発売を開始。総量は約10トンで、こちらはインターネット販売にも対応し全国展開する。

 会見で白鵬米のおにぎりをほおばった白鵬は「これはもち米じゃないかな、と思うほど粘りがある。去年より今年の方が出来がいい」と絶賛。白鵬米は販売のほか母国モンゴル、相撲協会教習所、東日本大震災の被災地である岩手県山田町にもそれぞれ120キロが寄贈される。

 白鵬は観光大使に就任した昨年6月から母国モンゴルでの稲作の普及を目指し「白鵬米プロジェクト」を同市とタッグを組んで展開。今年はモンゴルから農業研修生2人が同市で米作りを学ぶなど着実な進展を見せている。白鵬は「新たな歴史のページの始まりをとてもうれしく思う。モンゴルと気候が似ている滝川に来るとなつかしく過ごせる。今年は日本や相撲界にもいろいろなことがあったが、九州博多でもうひと暴れして、いい結果で締めくくりたい」と、2日間にわたる第2の故郷での充電を終え、九州場所を見据えていた。【奥村晶治】