<大相撲九州場所>◇11日目◇23日◇福岡国際センター

 全勝の横綱白鵬(26=宮城野)が、鋭い踏み込みで関脇稀勢の里(25=鳴戸)を寄り切った。

 東の支度部屋を出る白鵬の体は、普段以上に赤かった。「いつも通りだった」と取組後に平静を装ったが、気合が違ったのは明らか。稀勢の里の左おっつけを警戒し右脇を締めた。最後は右四つから相手が巻き替えてきたところを狙って寄り切った。「お互いに持っているものを出し切ったいい相撲。その中で横綱の地位の差でうまくさばいた」。今月3日、熊本での土俵入りで太刀持ちに稀勢の里を従えた。「いろいろ言わなくても分かっているだろうから」と普段は会話を交わすが、その日はあいさつだけ。昨年の九州場所で連勝を止められた天敵は今場所、大関を狙う。全勝は当然1人。2つ差も気の緩みはない。