<大相撲初場所>◇6日目◇13日◇東京・両国国技館

 九重勢が台風の目になってきた。新入幕の千代の国(21)が臥牙丸を破り5勝目。新十両千代大龍(23)は大岩戸を下し、6連勝を飾った。九重親方(元横綱千代の富士)の弟子への評価はまだ手厳しいが、それも期待の裏返し。中盤に差しかかり、躍進に注目だ。

 優等生タイプの千代の国に対し、千代大龍は「やんちゃキャラ」で存在感を示している。この日は大岩戸をはたき込んで、無傷の6連勝。十両の優勝争いで、単独トップに立ったが「まだ自分の相撲が一番も取れていない。引いてたまたま勝ってる」。今場所は前に出て勝ったのは1番だけのため、反省を口にした。

 素顔は好漢だが、九重親方の辛口評は止まらない。「稽古場は、あの10倍強い。目先の勝利だけ考えて、小手先で相撲を取っている。四股も踏まない。てっぽうもしない。今は結果が出ているけど、1つ間違えば、コロコロいくよ」。期待度も、潜在能力も高いからこそダメ出しされた。

 師匠との交換ノートでも、褒められることは「まったくないっす」という千代大龍。まだ、まげが結えない元学生横綱は、大横綱に鍛えられながら、土俵に立っている。