<大相撲初場所>◇11日目◇18日◇東京・両国国技館

 大関稀勢の里(25=鳴戸)が手痛い2敗目だ。過去6場所で3勝していた“横綱キラー”ぶりを発揮できなかった。横綱白鵬との1敗対決に完敗。上体を起こそうと、のど輪にいった右腕を抱えられた。そのままとったりで崩されると、一気に土俵際。逆転を狙った突き落としも実らなかった。悔しさがにじむ取組後は、さすがに口が重い。「右がちょっと高かった。ぴったり手繰られた」と、蚊の鳴くような声だった。

 新大関として立派に優勝争いに加わるが、ついにがけっぷちに立った。全勝を守った大関把瑠都(27=尾上)とは2差に開き、現時点で自力Vは消滅した。きょう12日目はその把瑠都戦。勝てば再び道が開けてくる。終盤戦を迎えた前日10日目の打ち出し後は「1日1日、しっかり全力で戦う」と話していた。星勘定は考えず、白星だけを追う。この日横綱を上回った声援に、何とか応えていきたい。