春男把瑠都が大相撲春場所(3月11日初日、大阪府立体育会館)で綱とりに挑む。大関把瑠都(27=尾上)が番付発表の27日、大阪府大東市の尾上部屋で会見した。把瑠都が「いい場所」と言うように、勝率は8割超え。2年前に大関昇進を決めた地で横綱昇進も決めてみせる。

 綱とり場所へ向け、把瑠都は笑顔を交えながら話した。「初めてのことなので、硬くならないように。初日まであと2週間あるけどここまでは緊張もない。大関とりのほうが緊張した」。大関とりへの重圧をはね返し、先場所で初優勝を決めたことで精神面のたくましさは数段アップしている。

 連続優勝そして綱とりへのカギは「序盤。初日から3日目が大事」と言い切る。先場所は不安定ながらも前半戦で負けなかったことが優勝につながった。「今場所は内容も良くないとだめ」と勝ち方を求められていることも理解している。

 春場所との相性の良さは数字にも出ている。把瑠都の生涯戦績は554戦381勝173敗(57休)で勝率は68・8%。これが大阪となると67戦54勝13敗(15休)で勝率は80・6%と急上昇する。07年に全休したが06年には十両で全勝優勝し、10年は14勝1敗で大関昇進も決めた。把瑠都も「休場もあったけど、いい場所。食べ物もおいしいし、1年の中でも楽しみな場所」と笑顔を見せる。

 越えるべき壁は厚く、高い。「自分らしい力強い相撲を見せたい。前へ前へ出たい」。力をフルに発揮できれば、結果はついてくるはずだ。【高橋悟史】