<大相撲春場所>◇13日目◇23日◇大阪府立体育会館

 幕下は海龍(かいりゅう、22=出羽海)が7戦全勝で優勝。鬼嵐を押し倒しで破り目を潤ませた。「師匠(田子ノ浦親方)のこともあって、特別な思いだった。『まだまだ。来場所が大事』って言われると思う」。全勝はもちろん、6連勝も初めてだった。げん担ぎで伸ばしていたひげも「テレビのインタビューもあるし、そります」と笑顔を見せた。

 序二段では碧己真(あおきしん、22=春日野)が二十城との全勝対決を制した。押し込まれたが土俵際ではたき込んだ。「硬くなっていろいろと考えすぎてしまった」と振り返る。今場所直前に師匠の田子ノ浦親方が急逝。花道を引き揚げる時は天を仰ぎ「(田子ノ浦)親方の顔が浮かびました」と話す。昨年6月には左前十字靱帯(じんたい)を断裂。「もうやめようと思った」崖っぷちから巻き返した。

 ◆海龍(本名・山田元紀)西幕下29枚目。和歌山県海南市生まれ。05年春場所初土俵。178センチ、135キロ。得意は突き押し。

 ◆碧己真(本名・西山己樹)東序二段33枚目。大阪市生野区生まれ。08年春場所初土俵。173センチ、120キロ。得意は突き押し。