<バレーボール:全国高校選抜優勝大会:雄物川(秋田)2-0駿台学園(東京)>◇3日目◇22日◇東京・代々木体育館◇男子2回戦

 男子の雄物川(秋田)が駿台学園(東京)に快勝。2試合連続ストレート勝ちで16強入りし、3年ぶりのベスト8に「あと1」とした。

 アタック、ブロック、レシーブなどすべてのプレーで相手を圧倒した。だが試合を終えた選手に、宇佐美義和監督(59)の怒声が飛んだ。矛先は細川卓弥主将(2年)と2枚エースをなすレフト渡辺貴央(2年)に向けられた。第2セットで見せた中途半端なスパイクに対してだった。

 「エースなら特に、攻めの姿勢を貫かないと」と宇佐美監督。「甘い気持ちの者が1人いるとチームに影響する。そんな選手はコートを出ろ!」と言う。渡辺は「確かに逃げているところがあった。次の試合はエースの自覚を持って臨む」と表情を引き締めた。

 能力の高い選手が集結、どこにも負けない猛練習を積んできた。「今年の雄物川は強い」と評価はうなぎ上り。実力があればこその指揮官の厳しさだ。細川主将は「勝ちを意識して守りに入ってしまった」と、チーム全体の反省とし「次は最初から最後まで攻め続ける」ときっぱり。雄物川旋風のムードが漂い始めた。【北村宏平】