<神宮大会:東北福祉大3-0創価大>◇3日目◇17日◇大学の部準々決勝◇神宮

 東北福祉大(宮城=北海道・東北5連盟代表)が3-0で創価大(東京=関東5連盟第1代表)を下し、準決勝進出を決めた。2年生右腕の桑鶴雄太(青森・光星学院)が1安打完封。1四球、10奪三振の好投で、全国大会初勝利を神宮のマウンドで飾った。東北福祉大は今大会2試合連続完封勝ち。18日の準決勝で早大(東京6大学連盟代表)と対戦する。

 鮮烈な神宮デビューだった。最速147キロの速球でぐいぐい押した。5回まで完全ペース、スタンドがざわついた。6回、先頭打者にバントヒットを許し記録は消えたが、出した走者は9回の四球を含めて2人のみ。最後まで小気味のいいテンポで投げきった。

 先発はこの日の朝、言われた。1回戦では2年生左腕の森山一茂(大分・楊志館)が3安打7三振の好投で、全国大会初完封勝利。桑鶴は「仲はいいけど、あいつとはライバル。負けたくなかった」と意地もあった。時折チェンジアップも交えたが「真っすぐが一番よかった。走り込んでコントロールには自信があった」と話した。

 打線は6安打で3得点。1回に井上結貴(4年=宮崎・日南学園)の適時打と重盗で2点先制。5回に佐藤勇治(4年=岩手・専大北上)の適時打で1点追加した。3点あれば十分だった。山路哲生監督(41)は「桑鶴は一、二の出来。ボールに力があった」とたたえた。相手創価大の岸雅司監督は「こんな切れのいい投手がいるとは。最後まで崩せなかった」と脱帽だ。

 光星学院時代の僚友、巨人坂本勇人内野手の活躍に刺激を受けた。今大会高校の部に出場した光星学院は前日、初戦敗退した。「その分もという気持ちもあるが、今はチームのため。4年生には最後の大会なので絶対負けられなかった」。初の神宮で1安打ピッチング。桑鶴が全国区へ、大きく翼を広げた。【北村宏平】