DeNA先発の上茶谷(撮影・狩俣裕三)
DeNA先発の上茶谷(撮影・狩俣裕三)

日刊スポーツ評論家の佐々木主浩氏(51)がDeNAの練習試合を視察し、ドラフト1位ルーキーの上茶谷大河投手(22=東洋大)をチェックした。課題を感じながらも、現時点での投球には合格点を与えた。

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キャンプから実戦に移るこの時期に、これだけ投げられただけで収穫だろう。上茶谷は重いボールというよりは、回転数が多くキレのある球。肘の使い方が柔らかくて直球が伸びるから、チェンジアップも効く。最後の左打者を厳しい内角球でボテボテのゴロに仕留めたように制球力も抜群で、相手打者が右でも左でも内外角にきちんと投げ分けていた。

これからは徐々に長い回を任されるようになっていくだろう。腕の振りがやや横振りで、現在は組み立てが左右(内外角)だけ。先発で6~7回を投げるのであれば、もう少し高低を使った組み立ても取り入れると、もっと楽に長いイニングを投げられると思う。

このまま普通にいけばローテーションに入る可能性はある。ただオーバーペースには注意してほしい。大輔(三浦投手コーチ)に聞いたのだが、上茶谷は練習でもすごく投げたがる投手なのだそうだ。だからコーチの方で投げ過ぎに注意しながら調整させているという。私もプロ1年目のキャンプでは当時の小谷コーチ(現巨人)から球数、練習量を抑えられた。開幕ローテを意識するあまりに故障しては意味がない。

プロのシーズンは長い。大学なら春と秋のリーグ戦だけだが、これからは毎日試合がある。私も覚えているが、ルーキー時の疲労は相当なものだった。彼ならできると思うが、コンディション維持のため、自分のルーティンを早く確立することが大事だ。(日刊スポーツ評論家)

DeNA先発の上茶谷(撮影・狩俣裕三)
DeNA先発の上茶谷(撮影・狩俣裕三)