阪神がオリックスにサヨナラ負けを喫した。オープン戦は4勝10敗1分で最下位のまま。チーム打率は2割2分2厘で開幕を目前に控え、攻撃面で不安を残している。日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏が解説した。

どのチームも本番に向けて仕上げの段階に入った。開幕を1週間後に控えた阪神も9回、勝ちを意識した策を繰り出して同点に追いついたまではよかった。

9回無死一、二塁、オリックス内野陣がチャージしたところを、代打北條の初球バスターで追いつく。だがその裏、杉本のサヨナラ本塁打で敗れてしまった。

阪神ベンチの心理として、8回を終えて糸井のソロ1点だけで、より思い切った作戦に踏み切ることができたといえる。ただ同点にした後、なんとしても勝ち越しにでないといけない。

追いついて、なおも無死一、二塁。糸原二ゴロで一、三塁から、梅野が二飛、上本が三振に倒れる。せっかく勢いがついたのに、その裏に一発を見舞われた。

しかし、あえて強調したいのは1回の攻撃だ。1番木浪が中前打、2番近本が遊ゴロで二封。ここは一、二塁間方向を狙ってほしい。糸井四球後、大山が2ボールから二ゴロ併殺。ここも思い切りが求められる。

本番では序盤に先手を打って優位に立ちたい。どのチームにもいえることだが、開幕を直前にすることは「個々が何をすべきか」を再確認することだろう。(日刊スポーツ評論家)