DeNA今永は、これからもっと勝つための投球を考えてほしい。すべての球で見逃し、空振りを取ろうとしているように見える。試合の展開を読みながら、どこかで球数を減らして楽にアウトを取る場面をつくらないといけない。

5回1死で楽天の投手、辛島に粘られ、打ち取るのに10球を要した。外角ギリギリを狙い、カットされ続けた。インサイドから曲がるスライダーを投げれば、多少甘く入っても相手の頭にはないし、勝負を決められる。10球目に真ん中のスライダーで空振り三振を奪ったが、少なくとも4球前には選択できた。

結局、1点差に迫られた6回2死一塁でウィーラーに同点の適時二塁打を許した。勝負どころで三浦投手コーチも事前にマウンドに行って絶対に長打を打たれてはいけない場面と確認したが、チェンジアップが高めに浮いた。ポイントで精度が甘くなったのは、ここに至るまでに110球以上を投げていたからだ。

早めに打たせる、意図してゴロを打たせようとして違う結果になることもあるが、そういうことを考えて投球していくことが今後、大きな差を生む。昨年の不振から、今季はいい球を投げているし、7勝を挙げている。だが勝負を1球で終わらせる技を覚えれば、もっと勝てる投手になれる。(日刊スポーツ評論家)