3回表広島2死一、三塁、松山に同点となる2点適時二塁打を浴びた青柳(撮影・清水貴仁)
3回表広島2死一、三塁、松山に同点となる2点適時二塁打を浴びた青柳(撮影・清水貴仁)

阪神が広島に連勝し、2位に浮上した。序盤から打線が好調で試合の主導権を握ったが、先発の青柳晃洋投手がぴりっとしなかった。4回途中で3失点降板。日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏がこの日の投球に苦言を呈した。

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不振を極める広島につけ込んだ。阪神は先発青柳がもたついたが、なんとか打ち勝った形だった。

桧山 このままでは青柳はローテーションを守れないでしょうね。ただ単に投げているとしか映らなかったのは残念です。春先は球威もあったから、コントロールがアバウトでも抑えることができたが、夏場になるとそうはいきません。

青柳が5勝目をあげたのは6月12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。交流戦明けの先発を任されるなどしたが、ベンチの信頼度を深める内容をアピールできていない。

桧山 今のままでは梅野もたまらんと思います。ボールを要求しているのに真ん中にきて打たれたりしたらサインが出しにくい。今の青柳はバッター目線でいうと、我慢していれば四球を選べるかも…、走者がいれば大量得点になるかも…、そんな気持ちで打席に立てますからね。この時期になってキレを欠いてきたのなら、自分を見つめ直した上で、低めに球を集めるなどメリハリをつけ、工夫をしながら考えた投球をしないといけません。

広島に傾いた流れを、4回に糸原の3ランで取り戻した。その前の際どい球をボールと判定された直後の当たりだった。

桧山 糸原のホームランは難しい球でしたが、むしろ前の打席の3回の左前打が大きい。同点に追いつかれた直後、先頭の糸原がヒットを打ったことで、得点には至らなかったが、チームに巻き返しのムードを作ることができた。広島には勝ち越しではなく、絶対に3連勝して巨人にぶつかっていきたいですね。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

4回裏阪神2死一、二塁、糸原は右越え3点本塁打を放つ。投手アドゥワ(撮影・加藤哉)
4回裏阪神2死一、二塁、糸原は右越え3点本塁打を放つ。投手アドゥワ(撮影・加藤哉)