阪神は土壇場で追いつかれる相変わらず重苦しさだったが、最後はからくもサヨナラ勝ちを収めた。
権藤 今の阪神で期待がもてるのは糸井と近本の2人で、打てる雰囲気としては全体的に乏しいね。近本が勝ちを決めたが、ここで強調したいのは、振れているんじゃなくて、振らにゃいかんだろということなんだ。。それを見送るから、ヤクルト小川にあれだけ投げさせてしまったんだ。
阪神は6回に高橋遥が試合を引っ繰り返され、1点リードを奪われた。その裏2死一、二塁に、5番原口が空振り三振。小川に対してストライクを2球見逃した後、最後は3-2から高めのボール球に手を出した結果だった。
権藤 打てない、打てないといわれる阪神がこのシーンに象徴されている。なぜ打ちにいかないんだ。さっきも言ったが、振れば当たるんだよ。点が入らなかったからとガタガタと述べるのは好きじゃないが、振らなきゃ何も始まらないじゃないか。これは余談になるが、8回に点が入り出すと振り出すわけで、ここで振るなら6回に振ってほしいと思うわけなんだ。
一戦ごとに勝ち負けはつくが、先発小川を引っ張りすぎたことを除いて、ヤクルト打線の顔ぶれからは迫力が伝わってきた。
権藤 確かに振りの違いは感じる。阪神に求められているのは振る勇気なんだよ。ここに尽きるんじゃないかな。それと高橋遥は2点を奪われたが責められなかった。立派なピッチングだったね。この若い投手を大事に育てるためにも、味方は振らなアカンということだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】