6回裏日本ハム無死一塁、西川は右前打を放つ(撮影・佐藤翔太)
6回裏日本ハム無死一塁、西川は右前打を放つ(撮影・佐藤翔太)

日本ハム打線は、各打者が頭を整理して打席に立っていたのかに疑問符がつく。ロッテ美馬に対し、ファーストストライクを打って凡退したケースが6度。初球から思い切っていくことは悪いことではないが、果たして狙っていたボールだったのだろうか。四球を選ぶことだけではなく、打つべきボールをしっかり打つ技術も「選球眼」。自身の得意なボールの把握、それを捉える準備、そうじゃないボールを見逃す勇気、すべてが大切になる。

「選球眼」で言えば、8回の西川の打席は評価できる。3点を追いかけ、残り攻撃イニングは2回。出塁が求められる先頭打者として、ロッテ・ハーマンに10球を投げさせ、四球を選んだ。ミートポイントを近くし、直球は反対方向に打ち返すイメージ。「絶対にボール球は振らないんだ」という執念を感じた。

さらに出塁直後の初球に二盗。打席の大田は併殺が怖い状況であり、初球で走ってくれたことで気持ちが楽になったはずだ。8回の西川のプレーは、得点にこそ結び付かなかったが、キャプテンとして、トップバッターとして、とてもいい姿だった。これを続ければ、相手にとっては嫌な打者になる。大田の状態が上がってくれば、1、2番のつながりが生まれてくるはずだ。(日刊スポーツ評論家)

8回裏日本ハム無死一塁、西川は二盗を決める(撮影・佐藤翔太)
8回裏日本ハム無死一塁、西川は二盗を決める(撮影・佐藤翔太)