いい試合だったじゃないか。第1戦と同じで、どちらが勝ってもおかしくない試合だ。勢いの差、余裕の差が出た。青柳は、戸郷よりもずっと良かった。シーズン初戦の登板(6月23日、ヤクルト戦)では、逆球が効果的だったと評論したが、この試合は違った。左打者に逆方向へ流し打たれたぐらいで、ストライクゾーンで勝負して、打たれなかった。戸郷もいいピッチングだったが、今の巨人打線に力負けしなかったんだから、青柳は立派だった。

第1戦も高橋は菅野よりもいい投球をした。勝敗は別にして、それぐらい、いい投手をタイガースは持っているということだ。そこを前面に出して戦っていくしかない。それを再認識した3連敗ではないか。優勝に近づくために、いい材料はあるんですよ。

今年は開幕が遅れ、120試合のシーズンになった。CSもないので、下位のチームは苦しい。積極的にいくところかじっくりといくところか、判断ができなくなってくる。そういう点では、大山の打順を下げたが、休ませなかったのはよかった。打線というのは、ある程度、固めて戦っていかないといけない。この試合の戸郷にかかれば、そう簡単には打てない。打てないから、と替えていたら、誰も打てなくなる。このメンバーしかいないんだ。ジタバタしても、このチームは弱いと思われるだけだ。今回の3連戦は、菅野に始まり、7人の継投がハマり、戸郷にやられた。こんなのは巨人戦以外ではない。

こういう時はどうすべきか? 何ともならん時は何ともならん。敵地で良かったじゃないか。甲子園でこれをやられるとつらいが、やり返せばいい。ファンは怒るかもしれないが、それぐらいのつもりで戦うしかない。勝負ごとはなるようにしかならん部分があるんだ。いつもこんなことが起きるわけじゃない。お返しはきっとくる。(日刊スポーツ評論家)