またしても高橋に勝ちがつかなかった。6回8安打されながら3失点。試合は作ったが、自身の勝ちには見放された。

中西 だれもが好投手であることは認めているのに、勝ち星が伸びてこない。1球1球は素晴らしいのに勝てないのは、高橋のピッチングに「強弱」がないからではないか。1番から9番まで、ずーっと同じで、メリハリがついていないように感じる。

2点リードの5回無死一、二塁。3番オースティンへの初球カットボールはファウルになった。続く2球目の同じ球種を左翼スタンドに運ばれた。

中西 ちょうどDeNAが3巡目に回ったところの失点だった。投球の強弱といったのはボールだけのことを言ってるわけではない。「配球」も、打者に向かう「気持ち」も、上位から下位打線まで、良いようにいえば淡々と投げているが、どの場面でも強弱が同じだから、打席を重ねるごとにタイミングが合ってしまっているようにみえる。

8月25日の中日戦(甲子園)で2勝目を上げたが、これで4試合勝ちがついていない。4、5、6回の中盤に失点する傾向がある。

中西 せっかく好投していたのに…という試合が続いている。味方の援護との関係もあるし、この日は4回に木浪の失策が出たことで、5回は打順の巡りが1番梶谷からになったというゲームの流れもあった。これからは、ギアを上げたり、どこかで抜いたりと、やはり勝てる投手にならないといけない。

チームは、巨人、中日に負け越した後、DeNAに2連勝した。

中西 DeNAの継投のまずさに助けられた。何とか踏みとどまったから、3連勝で勢いをつけたい。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 4回表DeNA2死一、三塁、坂本を投ゴロに打ち取る高橋(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 4回表DeNA2死一、三塁、坂本を投ゴロに打ち取る高橋(撮影・上田博志)