阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)に待望の甲子園1号が飛び出した。広島戦に「6番右翼」で先発出場。4回に先発森下のカーブをとらえ、右中間に4号2ランを放った。

4回裏阪神無死一塁、佐藤輝は甲子園1号となる右越え2点本塁打を放つ(撮影・上山淳一)
4回裏阪神無死一塁、佐藤輝は甲子園1号となる右越え2点本塁打を放つ(撮影・上山淳一)

森下のカーブをとらえた佐藤輝は「さすが」と言うしかない。4回、本塁打の直前、変化球を空振りして2ストライクに追い込まれた。速い球が来るんじゃないかと予測していたはずだが、カーブをしっかり振って、ホームランだからね。

私は初めて森下と対戦した3月30日もマツダスタジアムで見た。真っすぐでかなり攻められていたし、カーブに対応できず、空振り三振した。その頃は真っすぐが速いと感じていたと思う。今回は違う。カーブにしっかり合わせたし、7回は150キロの速球を中前にタイムリーにしていた。

4回裏阪神無死一塁、右中間へ2点本塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)
4回裏阪神無死一塁、右中間へ2点本塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)

プロのスピード、球のキレにだいぶ目が慣れてきた印象を受ける。あの打席も真っすぐが来るはずだと過剰に力が入ったりするとカーブに対応できない。各球団はいろいろ考えて投げてくるだろうが、この球なら抑えられるという弱点を見つけられていないはずだ。

打席での工夫も指摘しておきたい。右足が、そんなに上がっていなかったね。森下は左足を上げて、一瞬止まるような動作をする投手。足を上げる打者はタイミングを取りにくい。タイミングを合わせるくらいの上げ方で、柔軟に変えてきている。大谷翔平も米国に行って足を上げない時期があった。佐藤輝はワンパターンのタイミングの取り方ではなく工夫できている。

本当に楽しみだ。新人でどれだけ変わっていってくれるか。フルスイングできればいいと簡単に言うがフルスイングでずっと三振していたら、変わっていく楽しみがない。場面に応じた打撃をできるか。今後はそういった点も注目したい。(日刊スポーツ評論家)

4回裏阪神無死一塁、右越えに2点本塁打を放ちナインと笑顔を見せる佐藤輝(撮影・上田博志)
4回裏阪神無死一塁、右越えに2点本塁打を放ちナインと笑顔を見せる佐藤輝(撮影・上田博志)