阪神投手陣は、上り調子のDeNA打線に打ち込まれたが、スアレスら勝ちパターンで打たれたわけではない。馬場や小林は今季そこそこ投げているし、こういう時もある。それほどダメージはない、とみる。

4回裏DeNA無死満塁、チェンから右前適時打を放つソト（撮影・野上伸悟）

気になるのは、チェンだ。前回の中日戦は、6回1失点だったが、もともとコントロールのアバウトな投手。真っすぐも変化球も、左右高低にうまく散って、抑えられた感がある。中日打線が活発ではなかったこともある。フォーム的には手が先に出て、打者はタイミングが合わずに差し込まれてしまう。よく下半身が粘って、腕が遅れて出てくる投手がいるが、その逆だ。

今回の登板では、甘い真っすぐをしっかりと逆方向にうまくタイミングを合わされていた。こうなると、投球は苦しくなる。4回も直球にタイミングを合わされて、集中打を浴びた。今後、起用するならば、登板間隔を空けたり、同じチームに当てたりしないといった配慮が必要になるだろう。（日刊スポーツ評論家）

4回裏DeNA1死一、三塁、チェン（右）は代打山下に適時打を浴びて降板となる（撮影・前田充）