7回無死一塁の好機で日本ハム王柏融はソフトバンク嘉弥真のスライダーに崩され、凡退した。これには伏線があった。前日の試合でも7回無死一塁で投手は嘉弥真、打者は王柏融とまったく同じ場面があった。このときはカウント1-0からスライダー3球で三振していた。真っすぐを打ちにいくなかでスライダー対応ができないから、こういう結果になるのだと思う。嘉弥真の左打者への攻め方はインコースのツーシームとスライダーが中心。前日の反省を踏まえれば、この日はスライダーに対応するという意識ではなく、100%狙いにいくという考え方を持てれば結果は違ったかもしれない。好調な王柏融に対し、接戦の場面で相手ベンチは対左打者の投手を起用してくるだけに、狙い球の考え方をクリアできれば、もっとチームに貢献できる打者になる。

先発の上沢は7回の勝負どころでボールが浮いてしまった。全体的には抑えていただけに、あの同点の場面だけを指摘するのは酷かもしれないが、残念だった。ただ、日本ハム打線の低調さも無関係ではない。ソフトバンク先発の二保があっぷあっぷの状態にもかかわらず、2点しか取れなかったことに、上沢が7回にああいう投球をしてしまうしわ寄せがきている。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対ソフトバンク 7回に同点にされ渋い表情でベンチに引き上げる上沢(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 7回に同点にされ渋い表情でベンチに引き上げる上沢(撮影・黒川智章)