日本ハム上沢直之投手(27)が2回までに4失点とエースらしからぬ立ち上がりだった。

初回にボールがうわずり、先頭打者から2連続四球。このボールがうわずる初回の乱れは、この試合に限ったことではなく、ずっと続いている。これまで修正しきれないまま、投球していたのだろうが、この日のソフトバンク打線にはごまかしきれなかった。

札幌ドームではなく、沖縄の球場、それに湿気が多い天候といつもと環境が違うため、本人にも予兆があったはず。それに対応する引き出しを1つ増やすことができれば、もっと勝ち星がついてくるだろう。不安定な立ち上がりは、上沢の野球人生の課題のような気がする。

一方、負けゲームながらリリーフ陣の好投が光った。その中でも3番手で登板した井口の投球が目についた。6回の先頭打者、今宮に四球を出したのはいただけないが、1死一、三塁から3番中村晃を空振り三振、4番栗原はショートフライ。ソフトバンクの中軸を抑えられるのも力のあるボールを投げられる証拠。6月に1軍に再昇格してから好投を続けている。今は負け試合での登板が多いが、勝ち試合で投げている姿を見たくなった。(日刊スポーツ評論家)