楽天の先発則本昂は素晴らしい出来だった。結果、3安打完封。ほぼノーチャンスだった。それでは日本ハム打線がどう攻略すべきだったのか、考えてみた。奪われた三振は11個。そのうち10個は直球だった。これまでの則本は変化球で三振を取るイメージがあったと思う。それが頭にあったから、変化球でカウントを整え、最後は直球で仕留める、いつもと逆パターンの術中にはまった。

ならば変化球をマークすべきかというと、スライダー、カットボール、フォークと多彩で、しかも一級品なので、すべてをケアするのは難しい。こういう場合は何か決めが必要。あれもこれも打とうとすると1つもうまくいかない。1つのことをやろうとすると意外とうまくアプローチできたりする。そのきっかけになるのが直球に合わせることだと思う。

それもいつも自分が思い描いているスイング幅より、7~8割程度コンパクトにしないと、この日の則本の直球は、はじき返せないだろう。6回に初安打を放った清水がまさにお手本で、直球をコンパクトにとらえていた。直球を攻略する意志を感じる打席だった。この日の則本の出来だと、打ち崩すのは実際には難しいかもしれないが、早めに直球で仕留める組み立てに気づき、打席でアプローチできていれば何かが違ったかもしれない。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対楽天 2試合連続の完封負けに渋い表情の栗山監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 2試合連続の完封負けに渋い表情の栗山監督(撮影・黒川智章)