阪神が優勝争いできるかどうかのポイントは、ひとつだけです。スアレスの穴が埋まるかどうか。この1点に尽きますね。ときどき失敗する守護神もいますが、スアレスは1点でもリードしてバトンを渡せば、相手も諦める絶対的な力がありましたから。この日の宜野座で投手陣のブルペンを見て感じたのは、それほど抜けた穴が大きいということ。埋まっていない現状では、優勝争いできるかが不透明で評価しづらいです。
新外国人のケラーが候補のようですが、来日のメドも立っていない。私のコーチ経験でいえば、抑えの外国人はどんなに向こうで成績を残していても、NPBの試合で投げてみないと分かりません。日本の野球はまったく違いますから。日本の打者はガンガン振ってこないし、しぶとくファウル、ファウルの好球必打でくる。足もからめて揺さぶってくるから、クイックも必要になる。その野球に順応できるかどうか。ケラーをアテにしていて外れたら大変なことになりますよ。
筆頭候補は岩崎でしょうが、開幕までの残り1カ月でケラー抜きで抑えを決めておかないといけない。私の横浜監督時代に大魔神佐々木がそうだったように、先発完投型ではない分業制の時代で、勝敗を分けるのは抑えです。阪神はスアレスがいたから、昨年あそこまで勝てたわけです。栗林とR・マルティネスという絶対的な守護神がいながらBクラスだった広島と中日は、よほど力がなかったのかとも思ってしまいます。
巨人もビエイラが安定感に欠け、ヤクルトのマクガフも2年連続で活躍できるかは不透明です。そういう意味でも、他球団に比べて今年も投打の戦力がそろっている阪神は、抑えの穴が埋まれば昨年並みの戦いができるはず。逆にそこが決まらないと苦しくなる。仮に岩崎でスタートしてダメだった場合、昨年ヤクルトが石山に代えてマクガフを据えたような采配ができるか。監督の決断も大きなウエートを占めるでしょう。(日刊スポーツ評論家)




